蛍光灯がフラッシュみたいに見える子たち

発達に凸凹のある子たちには特別な才能を持つ子たちがたくさんいます。
感覚が一般レベルをはるかに越えている子もいます。
1万Hz以上の超音波(一般の人には音/音波と呼べるレベルではない音と言う意味ですね)が聴こえる子もいます。ホンの数Hzの差を聴き分けられる子もいます。
蛍光灯のチカチカが見えるから教室では落ちつかないと言う子たちもいます。
この蛍光灯のチカチカって、1秒間に100回の早さのチカチカだそうです。
一般の人間には1秒間に30回を越えると継続した光に見える(チカチカが認知できなくなる)ので、蛍光灯はこういう設定になっているのですが、子どもによっては見える子もいるのです。
取り替えられるなら家の中の蛍光灯をやめると言うのも、実は子ども達の落ち着きと関係するときもあるのです

講演してきました

今日は川口にあるしょうがい児のための放課後学童&療育センター(と言って良いでしょうか、三輪さん)通称「みんなのさくら」におよばれして、「聴覚過敏とそのケアについて」お話ししてきました。
電話とメールでご依頼いただいたのですが、代表者・三輪さんの電話の声が妙に良い声で、印象的でした。実際にお会いすると眼光鋭く身体もがっちり、威風堂々の男性でした。そして声が良い。
声が良い事は幸せな事です。自分の話をよく聞いてもらえるからです。
声が良い事は幸せな事です。自分もその声で気持ち良くなるからです(声が良く無くてもそういう人もいますけれど)。
声が良い事は幸せな事です。周りの人達もその声を聞いて心地よくなるからです。
そんな三輪さんが代表を務める「みんなのさくら」では、たくさんのスタッフの方々が真面目に真剣に楽しく働いていて、忙しい日々の中、勉強会や茶話会をちゃんと開いているそうです。素晴らしい職場。
たくさんのスタッフの方々と、お一人、当事者のママをゲストに迎え、彼の事をみんなで話しながら今彼が持っている「聴覚過敏」がどんなものなのか、どんなケアが可能なのか、どう変化して行く可能性があるのか、日々できる事は何なのか、そんな話をさせてもらって来ました。
両国センターの森田さんにも付き合っていただいて、持ち込んだトマティスの機材で聴こえを変化させられる事と、骨の響きを加えた発声も体験していただきました。
とても楽しく過ごさせていただきました、三輪さん、呼んで下さってありがとうございました。

わりとどこでも出張出来ます。どうぞお声掛け下さいね。

梅雨時の聴覚とケア

梅雨時に聴覚過敏が強くなる方もいらっしゃいます。
まず身体の中の水分代謝が滞りがちな時期ですので、暑いですけどすこし身体を動かして汗をかいて下さい。体内の水分代謝と聴覚は密接な関係があると私は思います。
また、気圧に敏感な方々でそれが聴覚への影響として出て来る方もいらっしゃいます。雨が降ると眠くなったりぼーっとしがちな方、いますよね。私もそうですので良く分かりますが、あれは無視しようとしても無駄な程強く大きな自然のエネルギーです。可能なら猫さんたちのように昼寝、仮眠、一休みを。
気持ちが鬱鬱する季節ですので、それだけで気分も聴覚もへとへとになる方もいらっしゃいます。たまにはお墓参りや神社仏閣教会へ。、聖堂のの静けさ、鐘の音、おりんの響き、線香などの香り、天井の高い空間に響く美しい音、水の滴る音…。音と香りと皮膚感覚からの刺激は過敏になってしまった聴覚に、とても大切な贈り物です。
さらによい方法があります。自分の声をきちんと聴く事です。こういう不調を起こしている時、自分の声を聴く姿勢もおろそかになっていて、今自分の身体と心がどこにいてどんな状態なのか、モニター出来なくなっている場合が多いようです。
テレビも消して、パソコンも閉じて、ゲームも、音の出る電気製品は1度お休みして、家の中を静かな場所にしましょう。家の中がうるさいなら、ちょっと公園にでもいきましょう。椅子にすわって、背中をゆったり伸ばして、静かに息を吸ったり吐いたりして下さい。呼吸法は世界中どこの瞑想方法を探しても必ず出てくる大切なカギです。心身を整え、五感を整えます。ゆっくり吸って、少し留めて、ゆっくり吐いて、また少し留めて、2分くらい繰り返してみましょう。ゆっくりゆっくり、息の出入りはあなたの身体を内側からマッサージしてくれます。たかが2分、されど2分。終わりましたか? お疲れさまです。ゆっくり周囲の音に気持ちを向けてみましょう。いつもより音に対して感覚がよくなっていませんか?
そうしたら自分に声をかけてあげて下さい「おつかれさま」「けっこう、かわるもんだねえ」「まいにちごくろうさま」「くたびれてるんだよねえ」「なかなかわかってもらえないよねえ」…。自分と、自分の声を使って会話です。自分の耳でその声を聞いてあげて下さい。よわよわしいですか? かたいかんじですか? かなしそうですか? つらそうですか? 自分にしか吐けない本音の声です。SOSになっていたら、気付いてあげて下さい。誰よりも大切なあなた自身の声ですから。
当たり前に存在していると思っていたあなた自身との新しい出会いです。何度も何度もささやいて、聞いてあげて下さい。一番親身になって聞いてくれますよ。

良い声で話そう運動実施中

良い声は自分に優しい声です。
生まれてから死ぬまでの間に一番たくさん聴く声は自分の声です。同じ聴くなら良い声がいいですね。考え事も心の中で声になります。良い声なら考え方もまとめやすいです。気持ちとコトバが一致していない時、私たちの声は決して良い声にはなりません。身体と心を繋ぐ大切な自分の声を良い声にして、自分に優しく生活しませんか?

良い声は人に届きやすい声です。
声のコミュニケーション、会話、やりとり。それって人が人として生きていく上でとても大切なものです。あなたの声は大切なコミュニケーションの道具です。あなたの気持ちを伝える時、相手の気持ちを受け取った時、良い声であればとても伝えやすくなります。

良い声は元気のもと、リラックスのもと、笑顔のもとです。
まずは深呼吸、ゆっくり息を吐いて身体と気持ちを緩めてあげましょう。

書籍「聴覚過敏」について


聴覚過敏、というズバリなタイトルの本を見つけました。
大学の教科書レベルの本ですので、今苦しんでおられる方にオススメと言うタイプの本ではありませんが、興味深い研究が幾つも掲載されております。
その中の1つに「自閉症の診断を受けている方々は、音の聞こえ始めからうるさくて我慢できないと感じるまでのボリューム差が一般の人よりも少ない」と言うのがありました!!
私たちトマティスカウンセラーは実感として感じていたのですが、音って、聴こえないくらい小さい音からやっと聴こえるくらいの音、そしてどんどんボリュームを上げて行くとうるさいと感じる大きさになりますよね。この「やっと聴こえる」ボリュームから「うるさいと感じる」ボリュームまで、つまり「心地よく聴けるボリュームの範囲が、自閉症の人たちは一般の人たちより狭い」んです。
聴覚過敏と言うと、カンタンなイメージですと他の人よりボリューム大で聴かされている状態、を指しますが、この「心地よく聴ける範囲が狭い」と言う事であれば、良く耳にする「…でも自分の声は大きいんです」「…でもゲームの音は大きくても平気なんです」「…でも好きな事なら大丈夫みたいなんです」と言う保護者の皆さんの「???」も理解できます。だって聴覚って、心理状態で大きく変化してしまう感覚です。嫌な音だと小さくてもイヤ、って感覚、ありませんでしたか皆さん。
音から来るパニックの仕組みも、これと関係あるな、と思いながら読み進んでいます。

今年は「聴覚」の年だそうです、ご存知でした?


 現在日本語で読む事の出来るトマティスメソッドの本は全て絶版になってしまっています。幸いインターネット上で古本が当り前に探せる時代ですから「最強の外国語学習法」村瀬邦子著 も、「モーツァルトを科学する」アルフレッド・トマティス著 も、「人間は語学の天才である」同著 も、「トマティス流 音の子育て」篠原佳年著も、探せば手に入りますが。
 トマティスメソッドが日本に上陸してから20年の今年、NPOマティスから出版する予定なのは「聴覚トレーニング」に関する本です。発達にでこぼこのある子どもたち、それを何とかしたいと思っている保護者/関係者の皆さん、なんかうまく行かない原因が音とか耳とか聞く事とかにありそうだと感じている大人たち、困っている人はたくさんいます。そんな人たちが読んで納得、その内容を伝える事で相手に理解してもらえ、実際に家で出来るエクササイズも載っている本、そんな本を書店の棚に並べたいと心から思って只今執筆中です。
 今年は「聴覚」の年だそうです。たくさんの様々な発声本が出版される事でしょう。「これをすれば魅力的な声になる」「これを守れば就活に有利な声が出る」「これでモテモテ声になる」「ビジネスに活かす強い声・魅力的な声」「あなたの発声ココがまちがってます!!」「営業職なら勝ち声で喋れ」・・・。どんな本でも有りですね、考えるのが楽しくなってきました。こっちを出す方が売れるかしら?
 けれどトマティスメソッドの発声コースで学ぶ発声は「有利な声」「勝てる声」「モテる声」とかそういう他人より高く、他人より早く、他人より効率的に、そんな発声ではありません。その人がその人である為に。その人にしか出せない本当の響きが聴こえるように。そしてその響きがその人から発せられて相手に届くように。共鳴、共振、交響する事をめざす発声です。それは何よりも自分自身を緩ませ、世界との繋がりを感じさせて幸せにするような発声です。
 良く聴く耳ができないと良い声は出せません。そのために発声の体操があり、聴き取る訓練があります。気持ちの中にあなたをブロックしているものがあれば、それはこの「自分の出す音」でゆっくりゆっくり取り除かれて行きます。NPOの長い名前に書かれているように、トマティスメソッドは「聴覚」と「心理」と「発声」の繋がりに付いて長い間研究してきました。学際的である為になかなかどこの学会にも理解してもらえない時代もありましたが、今、世界がやっとそこまでたどり着いて来たと言う実感が、私たちトマティスカウンセラーにはあります。

一月はいく、二月はにげる、、、

と言われる程、あっという間に一月は終わって二月のスタートです。
去年後半辺りから東北地方のクライアントさんが増えました。どうしても東京まで来られないから、と、メールでやりとりしながらソリッスンでトレーニングしていらっしゃる方もいらっしゃいます。聴覚をチェックしたいからと新幹線で来て下さる方もいらっしゃいます。あの大変な地震原発事故の日々を乗り越えて、けれどまだまだ続くその大変さを前にして、自分と向き合う・立て直す・前に進む力をつける、あの場所が、あの場所の人たちが、そんな気持ちになっていらっしゃる時期なのかもしれないと感じています。
できる限りの支援をしていきたい、と思っています。