夏休みにできる事

自分の声を丁寧に自分で聴く練習!! 
これはとっても大切です。だって考え事って自分の声で行なわれることなんですもの。自分の声が聞きたくない様な声だったら、記憶も考え事もなんだかいいかげんなことになってしまいます!!

ではどうすればいいかと言えば、これ、実は音読がとても有効です。15年くらい前から熱心に音読を進めている日本の教育界の方々の中にも、トマティスメソッドを研究しに来て「音読の大切さ」の所でポンッと膝を打たれた方がいらっしゃるんですよ。

せっかくだから、良い姿勢にしましょう。トマティスでは「良い聴き取りの姿勢」と言います。
少し固めの、高さがちょうど良いイスに腰掛けて下さい。背もたれは使わずに。
胸を張りすぎると腰が反ってしまい自分の出す音を首から上だけで作ることになります。ちょうど腰骨の上に自分の上半身がバランスよく乗っている状態を作りましょう。お腹もゆるめて、ゆったりと鼻から息を吸います。
顎は軽く引いて、2メートルくらい先に視線が行く様な角度、喉が苦しくないけれど、という辺りを探して下さい。
理想は大仏様の座り姿です。もし誰かに見てもらえるなら、真横から見てもらって、目尻と耳の穴が水平になっているポイントでストップをかけてもらって下さい。この角度が「良い聴き取り」の首の角度です。
左右の肩の高さもそろえ、ゆっくり呼吸して下さい。
ゆっくり吸って、ゆっくり吐いて。これだけでも耳の緊張が取れて、急に色々な音が聴こえ始める人もいます。
ゆっくり吸って、ゆっくり吐いて。心臓の鼓動を感じ始める方もいらっしゃいます。
ゆっくり吸って、ゆっくり吐いて。手足が暖かくなる方もいらっしゃいます。
まず3分ほどこうしていたら、次に音読しましょう。
本は手で持つと重たいので、ちょうど良い高さのテーブルがあったらそこに置くか、両手で持ってそこの上で支えます。手が空でしたら太腿の付け根に掌を上向けにして軽く置きます。
呼吸はそのままですよ、ゆっくり吸って、ゆっくり吐いて。
ゆっくり読み始めてみましょう。
小さい子に読み聴かせてあげる様なゆっくりした気持ちとスピードがいいでしょう。
この読まれた音は自分の耳からもゆっくり入って来て、思っているよりずっと意味が良く分かるはずです。
黙読と音読は元々のスピードが違います。
音読は目で読んだ活字1つ1つを音にして聴き手に届け、聴き手がその音を脳内で活字または言語にして理解するために行なわれる事ですから、黙読の何倍もゆっくりしたスピードで行なわれるのが本当です。
日本の音読は早すぎて、意味もニュアンスも味わいも吹き飛んでいる場合が多々あります。
そして声は空気の波となってあなたの外へ外へと広がって行くモノですから、ゆっくり、広々とした気持ちで読んで下さい。壁があってもその外まで広がって行く様な気持ちで。
大声の必要はありません、あなたが世界の中心で、あなたからあなたの声がゆったりと広がって行くイメージが大切です。

マティスでは「星の王子様」を音読するようにいつもオススメしています。
フランス発祥で世界中で翻訳され普遍的に愛されている小説。
何才で読んでも、発見があり感動があり、痛みと悲しみがあり、切なさと重要な愛が語られている小説です。

この夏のご自身の宿題として、いかがですか?

子どもたちには教科書音読がおすすめ!! 
一学期に学んだ部分を全教科一度音読してみると、分からなかった部分もハッキリします。復習としては最適の方法です。
もちろん2学期に学ぶ分を音読すれば、すばらしい予習です。
夏のおすすめでした。

NPOマティス聴覚・心理・発声ケア協会は8/8から23まで夏休みをいただきます